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2026/07/07

和×暮らし

格子戸とは? メリット・デメリット 格子戸がある家で『和×暮らし』

格子戸とは? メリット・デメリット 格子戸がある家で『和×暮らし』

松戸市、市川市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠、広報担当です。
 

皆様こんにちは。

今回は日本家屋によく見る美しい格子戸に触れてみようと思います。

日本の美しい伝統技術を取り入れてゆったりと「和×暮らし」はいかがでしょうか。

格子戸とは木材を縦横の格子状に組んで作られた戸のことです。

日本の風情を今に残す京町家には、家の表に格子があり、その組み方によって家の商いが分かったそうです。テレビなどでよく紹介される祇園の街並みは、格子の店が連なり情緒あふれる景色になっています。身近な所では、旅館や蕎麦屋など和風の建物にはよく格子戸が用いられているので目にすることは多いと思います。

今回は格子戸について紹介し、その魅力とメリット・デメリットについてまとめようと思います。

目次

〇格子戸とは

〇京町家にみられる格子の主な種類

〇格子戸のメリット

 1、通気性の高さ

 2、採光

 3、閉塞感がない

 4、高い意匠性

〇格子戸のデメリット

 1、掃除の手間

 2、気密性が低い

 3、値段が高い

〇まとめ

格子戸とは

格子戸とは木材を縦横の格子状に組んだ扉や引き戸のことです。

昔ながらの日本家屋によくみられる伝統的な建具です。格子の横方向のことを「貫(ぬき)」と呼び、縦方向のことを「竪子(たてこ)」と呼びます。

飛鳥時代、寺院建築伝来で窓のデザインに格子が用いられたことが始まりではないかという説があります。時代と共に機能性を持たせながら貴族の邸宅へ、やがて庶民の家へと広まりました。

日本の工芸や構法、技術や技法はどれも同じように進展していると感じますが、庶民に広まると手先の器用な優れた職人達を数多く生みだすことになります。そして、競うように技を磨くことで同時に道具も進化させていきます。そして、機能性と美しさを兼ね備える素晴らしい物ができあがっていくのです。格子戸も職人の技と誇りで受け継がれてきた、伝統的な建具の一つです。

京町家にみられる格子の主な種類

美しい日本の景観が今に残る街並に京町家があります。住まいを兼ねた店が連なる風情ある通りで、日本人だけでなく外国人観光客をも魅了しています。「うぎの寝床」と言われたりしますが、間口が狭く奥に長い間取りとなっているため、風通しや採光のために表の戸や窓に格子が使われたのです。光を入れ、風を通しても外から中が見えにくいという格子の特徴が活かされています。また、商売や職業によって格子のデザインが異なっています。格子のデザインは細かく分けると50種類にも及ぶそうです。知っていると京町家の見方がまた少し面白くなるので、主なものをご紹介します。

親子格子

太い親竪子の間に上部が切られて短くなった細い子竪子が数本並ぶデザイン。格子の上部が空いていることで採光を増やし、糸の色を見分けたり、針仕事など手元を使う繊維関連の店で使われた格子。子竪子の本数で職業が分かれるそうです。

・2本・・・呉服屋格子

・3本・・・糸屋格子(紐屋格子)

・4本・・・織屋格子

など、地域や職業によっては親竪子の数が変わるなどもっと種類は多いようです。

酒屋格子・米屋格子

幅の広い竪子が間隔をあけて並ぶデザイン米俵や酒樽があたっても耐えるよう頑丈につくられていたそうです。

・酒屋格子:紅殻塗り(べんがらぬり)が施されていた。※社寺建築などで見られるような赤褐色

・米屋格子:糠の粉が目立つ紅殻塗りは施されていない。木肌色。

      米俵を積み上げた際の重みに耐えられるよう、格子の下部の土台貫が二重。

炭屋格子

炭の粉が舞うので、できるだけ外に出さないように配慮するためにデザインされた格子。竪子の間隔が狭くなっています。

(紹介した格子のイメージ)

工夫され生みだされた数々の格子のデザインは商売の看板のような役目も果たしていたのですね。

夕方、連なる商い中の店の格子からこぼれてくる灯りを想像すると歩いてみたくなりませんか。そして、もし自分の家からこんな柔らかな光が漏れていたら、帰るのが嬉しくなりませんか。

江戸時代には意匠性のある格子デザインが数多く誕生し、繊細な組子とともに日本家屋を装飾し、現代にも受け継がれています。

では、現代の家に格子戸を取り入れた際のメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか。

格子戸のメリット

1、通気性の高さ

障子やガラスが入っていない格子戸の場合、格子の隙間を柔らかな風が通ります。戸を閉め切って家の内と外を区切っていても通気が保たれます。中からは外の気配をよく感じ取ることができますが、外から中の様子は見えづらいという特徴がある格子戸はプライバシーを守りながら高い通気性を確保できます。高温多湿の日本の環境下で、かつては家の中に風を送り込む大切な役割を果たしていました。

2、採光

京都の町家で格子戸が使われていた機能的理由として、風通しの他に採光がありました。間口から細長い造りになっている町家では家の奥まで光を入れる工夫が求められました。格子戸は閉め切っていても光を取り入れる事ができる優れた建具なのです。

現代は照明がありますから明るさに関してはさほど問題ではないかもしれません。しかし、格子戸を通る日差しは柔らかく屋内に入り、また中から外に漏れる灯りは繊細で幻想的です。外にも内にも光をもたらす格子戸が創る影もまた素敵です。

3、閉塞感がない

通常の扉やドアで部屋同士を仕切った場合に比べて、格子戸は完全に閉め切った状態でも閉塞感を感じません。光を通し、空気移動を許す。柔らかく視線を遮るけれど戸の向こう側の気配を感じる事ができます。格子戸をあえて閉めることで、日本の侘び寂びの雰囲気を創り出したりもします。日本家屋の縁側もそうですが、日本には境界付近の曖昧を楽しむ文化が息づいています。格子戸の曖昧に空間を仕切るという絶妙な上手さが日本の風情を生みだします。狭苦しくさせずに空間を割り、部屋同士ならば家族を感じることができて、内と外ならばプライバシーを保ちながら外を感じることができます。

4、高い意匠性

現代に至るまで長く愛されてきた格子戸は、道具の発展や職人の技術の向上によって、繊細で美しいデザインがたくさん生みだされてきました。夕方、格子を通って漏れる灯りや中に差し込む日差しの影の加減も、戸一枚から計算される美しい世界。格子戸の持つ軽快さは、純和風だけでなく、和モダンやノスタルジーな雰囲気にも、洋風な空間にも合わせる事ができます。この高い意匠性は格子戸の最大の魅力です。

格子戸のデメリット

1、掃除の手間

格子を作りだしている縦横の木組みには埃がたまります。当然ですが、横方向の木(貫)にたまった埃は目立ちます。光を通したり、風を通したりする格子戸はこまめな手入れが不可欠です。複雑で細かい組子があしらわれている場合はなおさら掃除に手間がかかります。

2、気密性が低い

通気性がよいという特徴は、現代の住宅事情において気密性が確保しにくいというデメリットを抱えています。現代は省エネルギー基準や換気性能の観点で高気密が求められていますから、取り付ける場所によっては、建築基準が満たされるための工夫が必要になります。ガラスをはめ込んだり、二重扉にするなど、意匠性を失わずに気密性を確保できるような施工を考えましょう。

3、値段が高い

デザインや素材にもよりますが、オーダーメイドの戸は値段が上がります。組子など細やかな細工を入れる場合はより高価なものになります。また、ガラスをはめたり、二重扉にするなどの施工がはいると費用も上がります。専門家からもアイディアをもらいましょう。

まとめ

格子戸は、日本の伝統的な建具です。一言で格子戸といってもそのデザインは無限で、職人が木組みで作り上げる建具は軽やかで飽きることのないものです。日本の伝統的なものであるのにかかわらず、その雰囲気は和にも洋にも合う不思議な魅力にあふれています。建具そのもののデザインはもちろん素晴らしいものですが、その格子戸が後々創り上げる世界観のすばらしさに人々の心は奪われていくのです。

格子戸を通した光はまるで間接照明のように幻想的に部屋を包みます。きっちりと空間を仕切らないのに、丁寧さと上品さを持つ格子の感じ良さは、旅館や店舗などの雰囲気創りに用いられることも多く、その独特な世界観に魅了されます。

住まいの中の格子戸ならば、エアコンの風をほんの少し和らげたり、ペットとの優しい間仕切りとしても最適です。小さなお子様のお昼寝もそっと戸を閉めて様子をちゃんと見守っていられます。格子戸は、いつの時代も機能的であり、とてもやさしい存在です。

古民家再生を手掛ける工匠では、今まで使っていた扉や照明などを活かして再利用することが多々あります。建具も場所を変えたり修復したり、古くなった格子戸をお取替えしたり、新たに取り入れたりと全体の雰囲気や施主様の想いに寄り添いながら進めてます。現場の大工と直接話しをして頂き、大切に古民家を未来へとつなぎます。

その家にしか存在しない古材、美しい建具、日本伝統の格子戸。現代の家の住みやすさを取り入れながらも、どこかに「和」の暮らしを残す。誰もがなぜかほっとできる住まい「和×暮らし」を叶えていただけたら嬉しいです。

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工匠は、千葉県松戸市・市川市を中心に

自然素材を活かした古民家再生・リノベーションを専門的に手掛けております。

また、お客様のこだわりを実現する注文住宅も可能です。
いつまでも丈夫で美しく、愛され続ける住宅をご提供いたします。


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