
松戸市、市川市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠、広報担当です。
皆様こんにちは。
弊社が手掛ける古民家再生でよく採用する天井に「勾配天井」というものがあります。小屋裏を造らない又は既存の小屋裏を取り壊し、屋根の形に添って傾斜のかかった仕上げになっている天井です。古民家再生では、小屋裏に隠れていた立派で味わいのある梁を活かし魅せるような場合にとても効果的な施工方法です。勾配天井は開放感があり意匠性も高いので、古民家に関わらず、新築に取り入れたいという方も多いです。しかし、デメリットの把握が甘く、あとから苦労しているという方も少なくないようです。
今回は魅力たっぷりの「勾配天井」のメリットと知っておきたいデメリットをまとめます。取り入れる前に参考にしていただけたらと思います。
目次
〇勾配天井とは
〇勾配天井のメリット
1、開放感がある
2、採光と風通し
3、おしゃれな空間を演出する
〇勾配天井のデメリット
1、メンテナンスのしにくさ
2、コストアップ
3、空調の効率が低下する
〇勾配天井・考えるのが楽しいポイント
・シーリングファン
・照明
・窓
・梁・ロフト
〇施工事例
〇まとめ
屋根の形状に合わせて、傾斜のある状態で仕上げる天井です。
屋根のシルエットによりますから、切妻屋根なら両側が斜めで片流れ屋根なら、一方向に傾斜が掛かっています。勾配天井にできる場所は、2階もしくは2階が乗っていない1階部分の屋根に傾斜がある所、ということになります。

勾配天井は、本来小屋裏になり隠れている部分を無くして仕上げるのでその分、天井が高くなります。視線が大きく動く空間は広々とした印象を受け、開放感があります。
縦に抜ける大空間は、リビングなど家族が集まる場所にぴったりです。

勾配天井の高さを活かして高窓をつければ、光を取り込めるので室内の奥まで明るくなります。周囲の視線を気にすることなく採光できます。勾配と高さ位置などを考えて窓を設置すれば風通しも良くなり、換気もできて快適な空間を保てます。

勾配天井は、開放感と立体感があり印象的です。照明やシーリングファン、クロスや板張り、組み合せと工夫でホテルのような洗練された雰囲気になったり、山小屋のようなナチュラルテイストにもできて、自分好みのおしゃれな空間が演出できます。
古民家再生のときは、古材が組み合う構造そのものをあえて見せるように勾配天井にすることが多くあります。また、構造に直接関係ない後付けの化粧梁を用いて、大きな空間のアクセントにすることもあります。空洞の化粧梁の中に照明の配線を隠すなどの工夫もできますし、照明やシーリングファンの取り付け場所が増えるのでデザインや演出の幅も広がります。

▲無垢材の板張り勾配天井と大型のロフト

▲古民家再生で、構造を見せる勾配天井
高い位置に設けた窓や照明、シーリングファンなどは簡単に手が届きません。屋根の高さ程になっている天井に取り付けたものは、一般的な脚立では届かない場合が多いでしょう。球切れや故障、掃除などメンテナンスの度に専門の業者に依頼しなければいけないかもしれません。足場を組むまで行くと、費用も大きくなります。

水平の天井よりも、クロスや木材などで仕上げる面積が広くなります。また、手間もかかりますので、建築費用はアップする可能性が高くなります。アクセントで化粧梁を取り付けたいとなるとそれなりのコストがかかります。照明は高い位置から部屋全体に光が届くよう、種類や設置数に工夫が必要です。また、届かない窓にカーテンなどが必要な場合は、電動で開閉できるものを導入しなければならないかもしれません。後からかかる費用に注意です。

当然ですが、大空間を暖めたり冷やしたりできるエアコンは大型になりますし、その効率も低下します。高い天井の空気と床付近の空気をしっかり入れ替えて部屋全体に空調の効果を広げなければなりません。そのためにシーリングファンをずっと稼働さるなど、電気代も心配です。勾配天井になる部屋の空気の循環を最初にしっかりと考えておく必要があります。
デメリットはどんな施工にもつきものですから、しっかりと考慮して建築のプロの意見を参考にしてみましょう。そして、勾配天井の魅力を引き出すために楽しく考えるべきポイントがあります。
勾配天井には見た目も機能的にもとても相性のいいシーリングファン。黒や白、木目調やクラシカルなものもあって、選ぶのが楽しくなります。照明器具がついていなかった場所に突然後からシーリングファンを取り付ける際は、下地に強度が必要です。つけられる場所も限られます。また、傾斜対応のものを選ぶ必要があります。勾配天井にシーリングファンをつけたい時は、設計段階から相談しておきましょう。

梁や柱、ロフトの柵など手に届く高さにスポットライトを必要な個数設置すると掃除もできて便利です。角度を変えられるタイプにしておけば、その時々生活の中で必要な場所を明るくすることができます。メインの照明を吊り下げ式にしてもおしゃれです。ただし、低い位置に光を集めすぎてしまうと、せっかくの勾配天井の高い部分が暗くなり、もったいないので、間接照明や埋め込み照明で梁を照らし上げるなど、幻想的な雰囲気を創ってみてはいかがでしょうか。古民家には柔らかく光る和紙製の照明もお勧めですし、木組みの美しい影つくらせるような照明も古民家ならではで、素敵です。

部屋の空気の効率よく循環するよう高さや大きさ、開閉方法を考えて設置することが大切です。窓の位置や大きさは、設計段階で考える事なので、掃除方法やカーテンの必要性なども含めて、プロのアドバイスをしっかり聞いて決めてください。天井の高い開放的な勾配天井の良さを活かせるような窓選びが重要なポイントになります。
梁は高い天井を立体的に魅せるアクセントになります。構造の梁をそのまま見せる場合もありますが、直接構造には関係のない梁を後付け施工する化粧梁もあります。化粧梁の中に配線を隠したりすることもできるので、照明やファンの土台にできる位置など設計士などに相談してみましょう。
また、勾配天井を活かしたロフトは、寝室やプレイルーム、物置にもできて便利です。同じフロア内にロフトの床面による天井の低い部分が誕生するので、変化のある空間になります。照明のメンテナンスにもロフトが使えそうですね。

まずは、こんな暮らしがしたいというイメージを明確にして工務店や建築士に伝えてください。次はそれを叶える作業です。古民家再生ではかつての立派な梁と構造を魅せることが醍醐味となりますから、勾配天井はぴったりです。周辺の環境や室内の空調のこと明るさのことなど、共に考えてアイディアがたくさんあふれてくる、そんな楽しいし家づくりをしていきましょう。

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