
2025年9月更新
以前、ブログ内でもご紹介したことがありますが、古民家をリノベーションしてカフェやレンタルスペース、民泊施設など古民家ならではの良さを活かし活用している場所が全国にはたくさんあります。また、リノベーションして住み継いでいる方もたくさんいらっしゃいます。
どこかホッとする日本家屋の木のあたたかさとか、冷たくて凛とした土間の踏み心地なんかを感じて、出されるピザやパンケーキ、コーヒーなんかを雰囲気と共に美味しくいただくわけです。レンタルスペースでは、ワークショップやリサイタルを楽しんでいます。この異文化の交わりを心地よく感じるのもまた、日本人の特徴かもしれません。
このように、かつてのすばらしい技術で建てられた古民家が、たとえ住むという目的ではなくなったとしても、管理者を失うことなく活かされ続けることは、とてもすばらしいことだと思います。
→ブログ:「工匠の古民家再生・リノベーション・改修」住み継ぐ 和暮らし
→外部HP:市川市 「オアシス妙典」
しかしながら、上手く活かされたり住み続けることができないまま、空き家となって老朽化が進んでしまう家が増加傾向にあります。2015年に施行された「空き家対策特別措置法」もあり、各自治体で空き家対策を打ち出していますが、家の持ち主の高齢化や人口の減少、都心への移住が集中することなどで問題は複雑化し、すぐに食い止めることができない問題になっています。
住む人間を失ってしまった家、特に木造建築である日本家屋は一気に老朽化が進みます。人が居なくなると疲れ果てて生気を無くしてしまう。まるで感情のある生き物みたいです。
閉め切った家には空気の移動がなくなり、湿気がこもり木材が傷み始めて、畳などにカビが生えます。そして、ダニ、ゴキブリ、シロアリなどの害虫が繁殖します。水道管はカラカラになり、ネズミなどの侵入も許してしまい、やがて猫やハクビシンといった大きな動物も入り込んでくるでしょう。外周りも、手入れのないままの庭木や雑草で荒れ果てていきます。こうして、色々な場所が弱くなった家は、倒壊の危険が増すため近隣へも悪い影響を及ぼします。外壁なども放置することで大変危険な状態になります。また、落書きや放火などの犯罪も招きます。放置されたままの空き家は、とても深刻な問題となっているのです。

では、実際に空き家を所有しているときどうしたらよいのか。市川市で行っている空き家対策をいくつかご紹介します。街の安全と活性化につながるよう、市の制度を活用して所有空き家の問題を考えてみてはいかがでしょうか。特例措置も延長、拡充しています。もう一度、所有のお家を見つめなおしてみてください。活かす方法があるかもしれません。
周辺の生活環境に著しく悪影響を及ぼす空家の除却を促進するとともに、跡地を広場など地域活性化に資する施設とするため、特定空家を除却した跡地を市に無償貸与することを条件として、当該特定空家の除却工事に要する費用の一部を助成するもの。
補助額:除却費用の1/2、上限100万円。
(引用:市川市)
 空家対策課に、事前相談を行って下さい。
 空家対策課 電話番号 047-712-6333
木造住宅等が密集する地区や古くから市街地を形成している地区における建物の更新と併せた不燃化及び耐震化を促進し、市街地の防災性の向上及び居住環境の改善を図るため、耐震性のない特定空家の除却工事に要する費用の一部を助成するもの。
補助額:除却費用の1/2、上限50万円。
(引用:市川市)
再建築が困難な敷地(無接道地等)の活用、周辺の生活環境に著しく悪影響を及ぼす空家の除却促進及びゆとりある住宅地の形成を目的として、再建築が困難であり、かつ耐震性のない特定空家を当該特定空家の隣地所有者が購入し除却する際の工事に要する費用の一部を助成するもの。なお、除却工事は売主、買主どちらが行っても補助対象となります。
補助額:除却費用の1/2、上限100万円。
(引用:市川市)
利用可能な空家の活用を促進するため、現行の耐震基準を満たす空家を地域活性化に資する目的(例:児童厚生施設、老人福祉センター等)で利用するために改修工事を行う場合において、当該改修工事に要する費用の一部を助成するもの。
補助額:改修費用の1/2、上限100万円。
(引用:市川市)

[4-1]空家活用リフォーム推進事業と併せて実施し、リフォーム対象空家の家財道具の処分費用の一部を助成するもの。
補助額:処分費用の1/2、上限20万円。
(引用:市川市)
子育て世帯(18歳未満の子を養育している)を対象として、市外からの転入者及び市内の転居者が現行の耐震基準を満たす空家を自己の居住の用に供するために改修工事を行う場合において、当該改修工事に要する費用の一部を助成するもの。
補助額:市外転入の場合…改修費用の1/2、上限50万円。
     市内転居の場合…改修費用の1/2、上限25万円。
(引用:市川市)

空家の流通を促進するため、空家の所有者が当該空家の性能を調査する場合において、当該調査費用の一部を助成するもの。
補助額:調査費用の1/2、上限5万円。
※市川市空家活用マッチングサービスに登録したものが対象となります。
(引用:市川市)
このように様々な活用事業補助金制度が設けられています。要件を確認して、当てはまる場合は相談することができますので活用を考えてみてください。
市川市ホームページ→「市川市空家除却・活用事業補助金について」
         
令和7年度分申請受付期間:令和7年4月14日(月曜)午前10時から
(※申請額が予算枠を超えた時点で受付終了となります。)
インスペクション事業の中で触れられている、
空き家を活用したいという意見から創設されたサービスです。
空家を地域で活用したい・活用してほしい方へ→「市川市空家活用マッチングサービス」
空き家を所有している人と活用のため空き家を探している人が情報を登録しておくことで、双方の希望する条件に適合する物件がみつかるというものです。マッチングした双方が活用を希望すると、必要に応じて契約に係る相談などができる専門団体の相談員を案内してもらえます。
≪空家マッチングサービスのイメージ≫

(引用:市川市HP)
空家の所有者は、建物の状態や状況、間取りや設備、活用形態の希望、要望などを記入して登録します。
この登録をして、空き家の活用を促すための生態調査にかかる費用の一部を補助してもらえる制度がインスペクション事業です。

活用希望者は、活用希望、希望の物件形態、家賃希望などを記入して登録しておきます。

長く放置されてしまうという観点で空き家の中でも古民家にフォーカスしてしまいましたが、比較的築年数の浅い建築物であっても、空き家のまま放っておくと傷んでしまい、負の遺産になってしまう可能性が高くなります。しかし、探している人に託せば、良い状態を維持しながら活かされていきます。
増える傾向にある空き家は、各市町村にとって深刻な課題です。活用方法を見いだし、そこにアイディアと支援が加われば、宝物として地域の活性化に役立つ可能性を秘めているのです。
どうしようかと悩みの種だった所有物件を活かすアイディアを持つ誰かに出会い大切に守られていくかもしれません。または、制度を活用して取り壊すことができ、広いスペースが誕生すれば地域貢献につながるかもしれません。
市川市は空き家を活用、除去するため様々な制度を設けています。一度ホームページで確認してみてください。
お問い合わせ
市川市 街づくり部 空家対策課
〒272-8501 千葉県市川市南八幡2丁目20番2号
電話:047-712-6333
FAX:047-712-6330
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自然素材を活かした古民家再生・リノベーションを専門的に手掛けております。
また、お客様のこだわりを実現する注文住宅も可能です。
いつまでも丈夫で美しく、愛され続ける住宅をご提供いたします。
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古民家再生を行い、私たちらしい暮らしを叶えたい。
 
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