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2026/07/28

社内レポート

宮大工が語る社寺建築の秘密|軒の上にもいる「縁の下の力持ち」桔木(はねぎ)とは?

宮大工が語る社寺建築の秘密|軒の上にもいる「縁の下の力持ち」桔木(はねぎ)とは?

松戸市、市川市、宮大工が手掛ける古民家再生・注文住宅の工匠です。

皆さんこんにちは。

寺院工事のため、第二工場いっぱいに原寸図が広げられています。 原寸図とは、図面と写真を見ながら、一つ一つの木材の形や納まり、反りなどを実際の寸法で描き直す図面です。社寺建築では、最初の大工の仕事になります。

関連ブログはこちら→「社寺建築・宮大工棟梁による原寸図」

原寸図作成が始まったころ、休憩の時間に「はねぎはどうするか」などの話を大工さんたちがしていることがありました。 大工さんの仕事の話は、わからない言葉で溢れています。なので、私は興味のある言葉を後から調べるようにしています。

今回の「はねぎ(桔木)」という言葉。過去の現場レポートで大工さんが書いていたのを思い出しました。 “縁の下の力持ちは、軒の上にもいる”という記事です。

関連ブログはこちら→「潮来市 恵雲寺 客殿新築工事」

「桔木(はねぎ)」は、社寺の木造建築が大陸から伝わった時にはまだなかった構法です。 雨の多い日本において、建物を雨風から守るために欠かせない「深い軒」。しかし、その美しく反る、または柔らかなむくり屋根の深い軒をどう見せるか、柱を少なく広々と軒下が突き出す優美な屋根をどう持たせるか、という課題を解決するために見出された「日本独自の建築の技」です。

二重の構造にした屋根の中で、桔木が深い軒の先端を「てこの原理」ではね上げます。製材されていない丸太を使うことが多く、屋根にのしのしと突き刺さっている様子は、力強く迫力があります。

屋根が仕上がれば、桔木は見えなくなってしまいます。しかし、この力持ちが屋根の裏で頑張り続けることで、社寺の軒下から見上げる垂木(たるき)は、屋根の重みを支える負担を減らすことができるようになりました。 重さから解放され、意匠に専念させることができるようになった軒下は、より繊細で美しい仕上がりになります。そして、計算され丁寧に木組みされた構造の中の桔木は、締め直しや調整ができるように考えられています。昔は木製のくさびを打ち直すことでバランスを調整していました。現在は、桔木用の特殊なボルトを締めあげることで調整や修繕ができるようになっています。

実は、この桔木は社寺建築だけでなく、昔の民家の大きな屋根を支えるためにも使われていました。

そのため、私たちが古民家再生の現場で「手壊し」をすると、桔木として使われていた立派な丸太がそのまま姿を現すことがあります。 もしその木がまだ傷んでいなければ、あえて天井裏に隠さず、そのまま暮らしの中で見せるデザインとして楽しむこともあるのです。何百年も前の大工の技が、現代の住まいのアクセントとして蘇るなんて、とてもワクワクしますよね。

松戸市に本社工場を構える工匠には、宮大工が複数在籍しています。 休憩時間の話題はその日その日で色々ですが、仕事の話になると私は何もわかりません(笑)。でも、なんとなく興味深いのでいつも耳を傾けています。 宮大工という、普段なかなか関わることのできない方々と話せるのは、また一つ世界が広がるようで面白いものです。

何百年も屋根を支え、美しい姿で残る社寺の建造物の中には、まだまだたくさんの技術があふれています。 先ほどの大工さんのブログにもありますが、社寺参拝の際はぜひ建物にも注目してみてください。 「見えなくなった軒の裏で、逞しい桔木たちがこの軒を持ち上げ続けているんだね」と、軒天を見上げてもらえたら面白いと思います。



工匠は、千葉県松戸市・市川市を中心に

自然素材を活かした古民家再生・リノベーションを専門的に手掛けております。

また、お客様のこだわりを実現する注文住宅も可能です。
いつまでも丈夫で美しく、愛され続ける住宅をご提供いたします。


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